宅建業の要件として以下の4点で注意が必要です。
ここでは、宅建業を営む事務所の要件について説明していきます。都庁などの手引きではわかりにくいこともお伝えできればと思っています。
宅建業を営む事務所の要件
宅建業の免許取得において事務所というものはとても重要な意味を持っています。事務所の所在や数により、宅建業の免許の申請先が各知事になったりしますし、事務所の数により営業保証金の額も変わってきたりするからです。また、宅建業を営むそれぞれの事務所ごとに専任の宅地建物取引士の設置も必要になります。
宅建業を営む事務所の形態により、宅建業免許申請に必要な書類なども変わってきます。添付書類である事務所の写真の撮り方なども非常に厳しい審査があったりします。宅建業を営む事務所の要件や必要書類、写真の撮り方などについては十分に注意をすることが必要になるのです。
事務所の定義
では、そもそも事務所とはいったい何でしょうか。宅建業法第3条第1項に「事務所とは本店又は支店、その他政令で定めるものをいう」と規定しています。
法律前半部分の「本店又は支店」とは、有限会社や株式会社は、登記簿謄本に登記された本店や支店がそのまま当てはまります。
法律後半部分の「その他政令で定めるもの」とは、本店、支店の他に「継続的に業務を行うことが出来る施設を有する場所」で、宅建業に関する契約を締結する使用人を置くものをいいます。つまり、本店や支店として登記されていなかったとしても、その実態は本店や支店と類似している場合には事務所として取り扱われるのです。
留意点
本店で宅建業を営んでいなかったとしても支店で宅建業を営んでいると、本店も宅建業を営んでいるとみなされます。この場合は本店でも営業保証金の供託や専任の宅地建物取引士の設置が必要になります。
逆に、本店で宅建業を営み、支店では宅建業を営んでいない場合は、その支店は事務所としては扱われません。保証金の供託や専任の宅地建物取引士の設置は必要ありません。
事務所の形態
事務所が事務所として認められるためには、物理的にも社会通念上も宅建業の業務を継続的に行える機能を持ち、事務所として認識される程度の独立した形態を備えていなければなりません。つまり、テント張りの案内所など、移動の容易な施設などは事務所として認められません。
また、一般の戸建て住宅やマンションの一室を事務所として使用している場合、同一フロアーに他の会社と同居している場合などは、その事務所の独立性が確保されていなければなりません。これらの場合はケースバイケースで審査に必要な書類、写真の撮り方などが変わってきますので、専門家に相談することをお勧めします。
自宅兼事務所でも免許を受けられるか?
都庁で発行されている手引き等では自宅兼事務所は原則として認められないというような旨が書かれていますが、生活スペースと事務所スペースを厳密に分けることで免許が受けられるケースがございます。売買メインの事業を開始したい方などは初期の費用を抑えることが可能になるので是非ご相談ください。